MENU

匿名掲示板の呼び声

掲示板

私は2ちゃんねるのような匿名掲示板が好きだ。特に深夜、誰もいないはずの時間帯に現れる奇妙なスレッドが好きだった。

先月、いつものように深夜の掲示板を徘徊していたとき、「助けて下さい」というタイトルのスレッドを見つけた。オカルト板だったから、何かの怪談か何かだろうと思って開いてみた。

「私の家に誰かいます。今、クローゼットに隠れています。警察に電話しましたが、まだ来ません。怖いです。」

最初は冗談かと思った。でも投稿時間を見ると、たった今投稿されたばかり。そして返信がまだ一つもついていなかった。

「マジなの?」と私は返信した。

すぐに返事が来た。「はい。足音が聞こえます。近づいてきています。」

「場所はどこ?警察に電話した?」

「××市です。電話しました。でも来るのに時間がかかるみたいです。」

私の住んでいる市だった。不安になって、もっと詳しく聞いてみた。

「何階に住んでるの?どんな足音?」

「一軒家です。重い足音です。何か引きずっているような…」

ここで約10分間、返信がなかった。他の誰も書き込みをしていなかった。深夜2時半、このスレッドを見ているのは私だけなのかもしれない。

「大丈夫?」

5分後、返信が来た。「足音が遠ざかりました。でもまだ家の中にいると思います。」

「警察はまだ?」

「わかりません。外の音が何も聞こえません。」

そこで私は考えた。この人は本当に危険な状況にいるのか?それとも単なるいたずらなのか?でも、万が一本当だったら…

「住所を教えて。近くなら見に行けるかも」

長い沈黙の後、返事が来た。「本当ですか?××町3丁目…」

血の気が引いた。それは私の住所だった。しかも、私は一人暮らしで、一軒家に住んでいる。

「それ、俺の住所だけど」と震える手で打ち込んだ。

「知ってます」という返事が即座に来た。「あなたのクローゼットにいるんです。」

その瞬間、背後から軽い物音がした。振り向くと、半開きのクローゼットのドアの隙間から、暗闇にぼんやりと光るスマホの画面が見えた。

「見つかっちゃいましたね」

画面に表示された最新の書き込みを見て、私は凍りついた。それは私がたった今読んだメッセージと同じだった。

スレッドを更新すると、新しい書き込みが表示された。

「次のレスが最後です。さようなら。」

それが最後の投稿だった。スレッドはそれ以降更新されていない。

警察によると、私の家からは何も見つからなかった。掲示板のログも残っていなかった。だが、あれ以来、私は夜になるとスマホの通知音が聞こえる気がする。誰も送ってないはずの通知音が…

そして今、また同じスレッドを見つけてしまった。「助けて下さい」——投稿者は私のIDになっている。でも、私は投稿していない。

クローゼットの方から、また音がした。