学校で– category –
学校であった怖い話
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放課後の鏡
紗季が最初に「放課後の鏡」の噂を聞いたのは、梅雨の終わりごろだった。うだるような暑さの中、放課後の教室に残っていた友人たちが小声でひそひそと語り合っていた。 「知ってる?三階の女子トイレの鏡のこと」と友人の美咲が言った。「放課後の六時十七... -
薬品棚の奥
夏休み前の放課後、理科室の掃除当番だった僕は、窓から差し込む夕日に照らされた薬品棚の埃を拭いていた。理科教師の浅野先生は早めに帰ったらしく、教室には僕一人だけが残されていた。 「あと少しで終わりだ」 そう思いながら薬品棚の各段を丁寧に拭い... -
机の下の微笑み
日が落ち始め、教室の窓からは橙色の光が斜めに差し込んでいた。森川真琴は期末テスト勉強のために放課後も残っていた。同じクラスの友達はとっくに帰宅し、部活動をしている生徒たちの声も次第に遠ざかっていくのが聞こえた。 「やっぱり家だと集中できな... -
消えない声
放課後の小学校は、昼間の賑わいが嘘のように静かだった。夕暮れの光が教室の窓から斜めに差し込み、床に伸びる長い影を作っていた。 「もう行くよ!皆隠れて!」 かくれんぼの鬼に選ばれた真希が、教室の黒板に向かって両手で目を覆い、大きな声でカウン... -
白いカーテンの向こう
放課後の掃除当番を終え、校内が静まり返り始めた頃、僕は保健室に立っていた。体育の授業で捻挫した足首の包帯を交換するためだ。ノックしても返事がないので、おそるおそるドアを開けると、誰もいなかった。 「先生、いませんか?」 応答はない。夕日が... -
三階の個室
私が勤める中学校の三階にある女子トイレの最奥の個室は、なぜか誰も使わない。 赴任して一ヶ月が経った頃、同僚の佐藤先生から「あそこだけは使わないほうがいい」と忠告された。理由は聞いても「気にしないでください」と言うばかり。校舎は築40年と古い... -
放課後の窓際
私が赴任した中学校は、郊外の小さな町にあった。築40年を超える校舎は随所に古さを感じさせるが、生徒たちは明るく元気だ。新任教師として3年2組の担任を任された私は、初めての教壇に立つ緊張と期待で胸が一杯だった。 着任から一週間が経ち、学校の雰囲...
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